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イングリット・フジコ・ヘミング

今日は久々にコンサートホールへ。
孤高のピアニスト イングリッド・フジコ・ヘミング
昨年秋にチケットをゲットし、大事にしまっておきました(^_^*)
3月なんてずいぶん遠いな〜と思っていましたのにあっという間でした。
素敵なプログラム*FullSizeRender 7.jpg

遠い昔、一度だけここで歌ったことがあります。FullSizeRender 5.jpg
そんなことも普段はもう忘れていますが、久々に訪ねて思い出しました。

シューベルト、ラヴェル、モーツァルト、ブラームス、シューマン、リスト、そして大好きなドビュッシーの「月の光」は雪に埋もれた春を焦がれるこの地のまだやや重い空気感を感じる響きでした。普段、音源で聴いているものより、そう感じたのはわたしの心持ちのせいであったとしてもそれはそれで。。。
昔々に弾き覚えのあるモーツァルトのソナタやショパンに柔らかな懐かしさとまたハンガリー舞曲を楽しく華やいだ気持ちで聴けたことに、また彼女の代表曲である「ラ・カンパネラ」のきらめきは拾い集めきれない宝石のようでした。
そしてアンコールでこれまた大好きなベートーベンの「テンペスト」が聴けるとはギフトでありました。
何はともあれ初めて生の音で拝聴するそのピアノの音色は一言では語れない。。。
純粋、信念、独創、深〜い色の花の色、時を重ねた音色が語る真の心、神様からの賜物のひとつの形。。。とイメージが心に広がり今も香りが残ります。

フジコヘミングはスウェーデン人の父と日本人の母の間に生まれ、現在83歳。過去に無国籍であることが発覚し(現在はスウェーデン国籍)、ドイツ大使の助力により赤十字認定の難民としてベルリンに留学し、それでも貧困の中「この地球上に自分の居場所はどこにもなく、天国に行けば自分の居場所はきっとある。。。」と言い聞かせねばならぬほどの苦しみを経て、また16歳で中耳炎による右耳聴力喪失に重ね風邪をこじらせての左耳の聴力を失うなど(現在は左耳が40%回復)の困難をも乗り越え、ブレイクしたのはほんの17年前とは。。。世に神様に用いられる機とは。。。としみじみと思うものであります。

彼女の演奏をお好みの方、そうでない方がかなりきっぱり別れるであろうと推察いたします。
しかしながら、人と人、音楽を心で感じるだけでよい時も。。。あるのかもしれません。
音楽に対する知恵が専門とか素人とかが大切なことであることをちょっと脇にそっと置いて。。。
そこにきっと隠された人として「大切なこと=或る光」を捜し出したいものです。

こんなに雪がまだ深い。。。FullSizeRender 8.jpg
時折、吹雪の中の帰路の寒さをいっさい肌が感じるべくエネルギーがすべてピアノの音色への記憶に置き換えられたままの感謝の今宵です。

一方、モーリーは珍しくわたしの膝の上ではなく遠慮がちに、でも離れたくない距離。。。PCの裏側で寝てしまいました。
手が出てますよ。。。(^_^*)FullSizeRender.jpg

「ひな祭りあたりに必ず荒れる」が閏年で少しずれつつもこれで少し、もう少し春に歩を進めたのでしょうか。

どうか光を纏った水曜日でありますように[ぴかぴか(新しい)]

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